竣工してからの1年点検を、自治会長さま、施工会社さまと共に行いました。
大きな不具合は無く、とてもきれいに使っていただけてる雰囲気が伝わってきました。
自治会館がまちの人たちにひらかれて、稼働率もとても高く、ここにこればいつも何かの集まりがある、というような状況になってきていることがとても嬉しく思います。
自分達も、点検後コーヒーをいただき、つい時間を忘れる程長居をしてしまいました。
目的がなくてもふらっとたちよれる心地よい居場所があるまちって、とても魅力的だなと感じました。

ちなみにこの自治会館には名前があります。
「U’me（ゆうめ）」と言います。
自治会の皆さまから名前を募集してみなさんで決められました。
私たちはその思いを受けて、ロゴのデザインとサインの取り付けをさせて頂きました。
まちの人が手を取りつながるきっかけになればいいなと願いデザインさせていただきました。

この度、クライアント様のご厚意により、見学会をさせて頂くことになりましたのでお知らせします。
みなさま、是非お越し下さいませ。

日時：4/27（土）10:00～17:00
場所：滋賀県守山市梅田町13-10
交通：JR守山駅より徒歩５分
※駐車場は周辺のコインパーキングをご利用下さい。
連絡先：075-353-5570（事務所）
　　　　080-1457-8792（奥田）
　　　　okuda@oharchi.com（E-mail）
※ご不明な点があればご連絡下さい。

先日施主検査も終え、本日工事監理完了し、建物をお引渡ししてきました。
いつも思うんですが、設計から監理まで数年かけて向き合ってきて、いよいよ完成した時はどこかさびしさがあったりします。
自分の子供が独り立ちする瞬間ってこういう気持ちなんだろうかなぁと、ふと思いました。
引き渡しを受け、お施主さんである自治会の会長さんが、総括とお礼を話されている時、現場監督さんが涙していたのがすごく印象深かったです。涙がでるくらい苦労があったんだと思います。
施主、施工、設計、三位一体で本当に良いものをつくろうという気持ちが強かったプロジェクトだと感じます。
長く住民の方に親しまれる建築に育っていくことを願います。

足場が外されるタイミングのドキドキ感は、何件設計を経験しても変わらないものです。
わくわくが大きいんですが、少しの不安もあります。
以前に自分がした納まりやカラーリングを基本的には採用せず、その物件その物件で最適解を考え、経験した事のないデザインに毎回挑戦しています。
なので、毎回毎回初めての感覚でドキドキします。
本日、足場が外れました。
お施主さん、施工者さんと共に、いい感じですねと自画自賛し合い、ここで安堵しながらも、最後の詰めをいい形で盛り上げてゆきたいと思います。

昨日から建方がはじまっています。
雨の中、たくさんの大工さんが協力して棟上工事をしていただいてました。
僕らは設計してる時模型を作るんですが、模型の時もよく思うのが、組み立てる材料の整理と、その順番に応じた段取りがものすごく大切です。
現場でも組み立てていく順序をイメージして、材料が置かれているのだなと眺めていました。
そんな事を考えていると、足場から見下ろしたコンクリートのカウンターがまるで模型のように見えてきました。
今しか見れないスケルトンの状態を堪能し、無事に上棟する事を祈り眺めていました。

古い建物で、例えば階段の踊り場等で無垢の木でつくられた手すりをみると、角だけなんとも言えない艶があり、おそらくはその場所だけたくさんの人に握られたのであろう痕跡があったりします。
そういうのを見ると人と建築の物理的なかかわりがイメージできて魅力的に感じます。
自治会館は、当然住民の皆さん、老若男女様々な方に利用していただく施設です。そして何十年、何世代にわたってくらしの場としてあり続ける施設です。
ちょっとしたディテールを考える上でも、少しでも住民の方に愛着をもっていただける事を念頭に考えてきました。
建物のところどころに、丸みのある部分をつくっています。
もちろん安全に配慮して、また建物の角が痛まないように等の理由もありますが、なにより、ついつい触れたくなるような建物にしたいという思いを持っています。
建物に人が触るっていうのは少し変な表現かもしれませんが、とたんに建物と人との距離が縮まるような気がするのです。

スポーツや勉強等、基礎が大事といいます。
やっぱり建築でも同じく、基礎が大事です。
今回建物は木造ですが、一般的な木造の建物よりも基礎が高く建ち上がってきます。基礎でありながらベンチ、基礎でありながら机、基礎でありながらキッチンカウンター。住民の方々が基礎を拠り所として、窓際の明るい場所で心地よくすごせるようにデザインしています。
なので、電気関係、キッチン関係、いろんな設備機器が基礎に絡んでます。
基礎のコンクリートを打つまでにいろんな業者の方と細かい事打合せをしてきました。ようやく型枠も起こし始め、いよいよコンクリート打設が近づいてきました。
やり直しのきかないこの感じ、何度経験しても、いろんな気持ちでどきどきするものです。

本日安全祈願祭を執り行っていただきました。
もともとあった自治会館も解体され、これから始まる工事とは裏腹に敷地には静けさがありました。
自治会館といえば、小さい頃子供会等の催し事が行われていた場所で、記憶に深く残っている場所だと思います。
建物を建て替える、というのはそれだけ意味深いものだと考えています。
多世代にわたり愛され、現代の生活に深くかかわりの持てる新しい自治会館が無事に完成することを願い、お祓いいただきました。
さてここからは切り替えて、現場。
完成するまで、よりよくできる事はないか、もと考えられる事はないか、日々あたまぐるぐるフル回転で現場監理をしてゆこうと思います。

梅田町のお住まいの方へ、自治会館の考え方と、現在の計画をご説明させていただきました。
説明させていただいた後、貴重な意見やアドバイス等もいただき、よくよく検討を行いこれからの設計にフィードバックしてゆければと思います。
いままでとは違う新しい自治会館ができることに対してとてもわくわくしたという意見を頂戴し、設計者としてうれしさと同時に責任感が良い意味で強くなりました。期待されるというありがたさをパワーに変えて、よりよい自治会館へと育てていこうと思います。

自治会の皆さまとも綿密に打合せを重ね、おおよそプランがまとまってきました。
毎回の打合せでは、たくさんの方が集まり様々な観点から意見を出し合い、共に一つのものを作り上げるという設計の楽しさを感じます。
物事を決定してゆく評価軸はやはり「活動のよりどころとなる縁側カウンター」と「活動の機能とストックとなるアーカイブ収納」この二つです。
まちの方々にとっての新しいファーストプレイスとして、まちのダイニングキッチンとして、この自治会館が愛される建物となることを想像しながら、設計は地道にこつこつ進めてゆきます。

コンペの時に考えた事、その後何度か行いましたワークショップ（意見交換会）を経て、現段階での計画内容を、自治会関係者の方々（神社関連、自衛消防隊、子ども会、せせらぎ会、ほたる通り商店街、赤十字奉仕団、民生委員、健康推進員、福祉協力員等々）に説明させていただき意見交換をいたしました。

より良い会館を目指し、それぞれがそれぞれの目線で考える自治会館への思いがつまった貴重なご意見をいただき、とても有意義な委員会となりました。

今後も引きつづき自治会の皆さまと、「住民の方にとっての新たなファーストプレイスとなる自治会館」を目指してゆきたいと思います。

先日、守山市梅田町の自治会館設計コンペで、弊社の案を選んでいただきました。

まち単位の新たなファーストプレイスとしての自治会館、「まちのダイニングキッチン」というコンセプトで、新旧の住民さんが住まう梅田町の方々の共有のよりどころとなる場所を提案しています。

地元守山、建築設計を通して自分が生まれ育った町に貢献できるチャンスをいただけた事に、感謝の気持ちでいっぱいです。

今後は、自治会の皆さま・住民の皆さまとワークショップや打ち合わせを重ねて、まちのダイニングキッチンの実現に向けて進んでゆきます。

コンペ時の提案書と模型が現在の梅田町自治会館にて下記の時間帯で展示中です。お近くにお住まいの方はぜひご覧くださいませ。

期間：令和3年7月12日（月）～令和3年7月31日（土）

時間：9時～12時