2021 OHArchitecture

別院町の集合住宅

Project

階層から断面へ

53年の年月を刻んだRCの躯体。バラ板で打たれたコンクリートは荒々しくも親父の手のシワのような表情が印象的であった。

お手本のような6mグリットの1階に対して、2階は2mのキャンチレバーが特徴的な駆体。既存の1階賃貸、2階住居の構成を変え、空間の強度を高めるように2層ごとメゾネットで縦に分轄する。そうすることで、1階と2階の異なる環境を享受出来る躯体を活かした集合住宅に変身させた。

1階は外部軒下空間と繋がるように駆体間一杯の5.8m×2.7mを全面 スチールサッシにして、外部と連続した土間空間とした。2階へはスラブをぶち抜いて吹抜けにして、スチール階段で軽やかに上下階をつないだ。内部は既存RCに入れ子状の黒皮鉄と木のボックスで構成し、水回り等を 入れ子の中にコンパクトにまとめることで、その他のスペースを自由度の高い空間としている。

実はこの家はクライアントの父が設計した店舗併設の家である。効率性だけを求めて立て替えるのでは無く、父の想いが刻まれた家を階層から断面へ変換することで、新たな人びとの営みを刻んいけるような建物を目指した。

 

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2019.02.16

躯体美人

解体後の現場確認。

良い感じのバラ板型枠のコンクリート躯体の空間が広がってました。

躯体を最大限に活かして、今までの賃貸ではなかった空間を

目指して設計進めていきます!